※肩書きは取材当時のものです。
オレたちが作ったんだぞォ!
胸を張ってそう言える小麦粉だよ。
※肩書きは取材当時のものです。
オレたちが作ったんだぞォ!
胸を張ってそう言える小麦粉だよ。
「国産小麦を使った食パンを食べ慣れていなかったせいか、正直言ってそこまで美味しさがわからなかった(笑)」
初めて『ゆめちから』を使った食パンの試作品を食べた時の感想を道下さんは話してくださいました。
その後も『ゆめちから』の研究は進められていき、Pascoでも商品化に向けて『ゆめちから』を使った食パンの試作を何度も重ねていきました。『ゆめちから』は中力粉をブレンドすることで美味しい食パンを作ることができるのですが、そのバランスを追求し、何度も小麦の配合を見直す日々が続きました。
「最終試作品を食べたときは、美味しくて驚いたくらい。しかもブレンドすることで他の国産中力小麦の汎用性を高めることができる。『ゆめちから』のパワーに魅了されました」道下さんは、そんな『ゆめちから』に魅力を感じ、作っていくことを決めたそうです。
「小麦は雨風に弱いし、病気になったりするリスクの大きい作物。だが、『ゆめちから』はそれを克服していた。また、小麦は“パンの他にもいろいろな食べ物に使われていて、お米より食べられているんじゃないか”と考えた」と道下さん。日本の食生活に欠かせない小麦を作るということを『ゆめちから』が後押ししたようです。
ほとんどを輸入に頼るパン用小麦を、日本で、北海道で作り広げていく。“食料自給率向上”というテーマを持つ『ゆめちから』に出会い、「やってやろう、と思った」と道下さんは言います。
「人間の体は食べたもので作られているって、本当にそう思う」道下さんの農業にはその考えが深く根ざし、健康な体の糧になる食べ物をと、穀物や野菜を日々作っているとのことです。
しかし、収穫量優先の栽培をしていた時期もあったそうです。「でも畑は正直だよ。そんなふうにしていると作物の病気が増えて、量も獲れなくなった。“なぜだろう”ってずいぶん考えた」
そして道下さんはハッとします。「作物だって人間と同じだ。健康で美味しく育つためには、健やかに成長できる環境が必要。土作りに重点を置き、余分なものは与えず、作物が本来持っている力を引き出すような作り方。それが結果的に機能性の高い食べ物になると思い、そんな農業がしたい」と。
「『ゆめちから』は“自分たちが作った小麦粉だ”と胸を張って言えること、日本の食料自給率を考えることは、自分たちの子どもや孫に何を食べさせてあげたいかにつながる。多くの人に『ゆめちから』を知ってほしい」。道下さんの言葉からは、農業に携わる人としての思いと日本の将来への思いがひしひしと伝わってきます。
「これぞ会心作という食べ物、小麦を作ることが目標。そして生産者同士も力を合わせて、もっと多くの農家が『ゆめちから』の生産に関わってくれるよう知恵を絞り、国産小麦をたくさんの人に食べてもらいたい」と、道下さんは最後にそう語ってくださいました。