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国産国麦ゆめちから

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研究者のおはなし

北海道農業研究センター

※肩書きは取材当時のものです。

『ゆめちから』の開発を支えたのは、
研究者たちの長い長い苦悩の歴史でした。

大きな魅力を持つ『ゆめちから』との出会い日本の食生活に欠かせない小麦を国産で

そもそも小麦作りに向かない日本の気候
気の遠くなるような開発期間

そもそも小麦作りに向かない日本の気候気の遠くなるような開発期間

小麦を育てるのに、高温多湿な日本の気候は向かないと言われてきました。これによれば確かに北海道の風土は条件的にやや有利でした。けれども「容易ではなかった」と田引さんと長澤さんは語ってくださいました。

小麦の開発・研究では、様々な特性を持つ品種を幾通りも交配させ、その特性を安定させるためじっくりと時間をかけて育成していくそうです。

「育てやすく品質にバラつきのない小麦を開発するには、5年から10年かかります。毎年同じ品質の小麦がきちんと作れるようになるのにそのくらいの時間を要します。忍耐強さと根気のいる仕事です」と話す田引さんの眼差しに、ひたむきに小麦を見つめ続ける年月の重なりを垣間見たように感じました。

「年間約50 通りの組み合わせを試しますが、すべてがうまくいくわけではありません。失敗するもののほうが多いくらい。気の遠くなるような研究と言われますが、先輩方が世界各地のパン用の冬小麦から優れた特性を持つ外国の超強力小麦品種を探し、交配を試みたことが功を奏し、『ゆめちから』の開発につながりました。着眼点のすばらしさに敬意を表します」と長澤さんは語ってくださいました。

大きな魅力を持つ『ゆめちから』との出会い日本の食生活に欠かせない小麦を国産で

期待を込めた新品種
『ゆめちから』と歩いた道のり

期待を込めた新品種『ゆめちから』と歩いた道のり

「『ゆめちから』は期待の高いかけ合わせだった」と田引さんは言います。『ゆめちから』の品種改良には、北海道農業研究センターでパン用小麦の品種改良が始まって以来、20年間にわたる研究成果の手応えがあったのです。

それまでもパン用小麦の開発は長年取り組まれてきましたが、なかなか成果が得られない分野だったそうです。「先人たちがあそこまで奮闘して叶わなかったのに、自分たち新参が実現できるのかという不安がありました」と田引さん。

しかも小麦製品には、生産者、製粉業者、食品メーカーなど多くの人が関わります。作りやすく、たくさん獲れて、加工しやすく、そしておいしい…と、あらゆる立場の望みを叶える小麦の開発は困難だとされていました。

「『ゆめちから』はそれを打ち破った小麦と言えるでしょう。おそらく、生産量はこれから増えると思います。このような品種と向き合って研究できることはとても幸せなことです」と長澤さん。

大きな魅力を持つ『ゆめちから』との出会い日本の食生活に欠かせない小麦を国産で

まだまだ託される夢
国産小麦の味わいをより多くの人へ

まだまだ託される夢国産小麦の味わいをより多くの人へ

「『ゆめちから』を使ったパンはモチモチして甘味があり、硬くなりにくい。多くの方に、この『ゆめちから』の特性を感じていただけたら嬉しいです」と田引さん。「リーダーは、初めて試食したパンの包みを今でも大事にとってあるんですヨ」と長澤さん。

「第一歩として、私たちはやっとおいしいパンを作ることができる国産小麦を生み出した。これは誇れることです」

この田引さんの言葉に長澤さんも深々とうなずきつつ、「『ゆめちから』が担う食料自給率向上という課題。まだまだ、この小麦に託される夢は広がります。小麦の自給率向上への道のりは長いですが、私たちは今後も、さらに優れた品質の国産小麦開発に力を注ぎます」と語ってくださいました。