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【離乳食卒業の目安と、幼児食の進め方】
幼児食で大切な“カミカミ食べ”の意外なメリット

ある程度のかたさのものを食べられるようになってくると、「離乳食っていつまで? そろそろ幼児食を食べさせるべき?」と気になりますよね。離乳食を卒業する目安と、幼児食を進める上での注意点について紹介します。また 、幼児食で大切な“カミカミ食べ”の意外なメリットについて、コドモノいっぽクリニック院長の丸山友紀先生に聞きました。

子どもの成長に合わせた幼児食で、
かむ力や味覚、食への興味を育てよう

1才6カ月ごろになって、肉だんごくらいのかたさのものを、もぐもぐと口を動かして食べるようになれば、離乳食を卒業してもいい目安です。

とはいっても、大人に比べるとかむ力はまだまだ弱く、消化器官も未発達です。大人と同じかたさや大きさの食事ではかむ力が育ちにくく、まる飲みするなど悪習慣がつくことも。よくかんで食べられるように、食材の切り方や調理法の工夫をして、5才くらいまでは歯や体の発達に合わせた幼児食を与えましょう。

また、このころまでは味覚のベースをつくる大事な時期。大人と同じ味つけにすると、濃い味に慣れて味覚が正しく育たない、塩分が多く消化器官に負担がかかるなどの心配があります。天然のだしを使う、野菜の甘みを生かすなど薄味を中心にして、市販のケチャップやマヨネーズ、ドレッシング、カレー粉などはアクセント程度に抑えて。

子どもの成長に合わせた食事で、「食べるって楽しい!」という興味を育て、いろいろな味や食感を体験させてあげましょう。

【1才代の幼児食】前歯が生えそろう時期。
歯ぐきで押しつぶすくらいの大きさ・かたさのメニューでかむ練習を

個人差はありますが、1才代は上下の前歯8本が生えそろう時期です。初めは前歯でかじり取り、歯ぐきで押しつぶせるくらいの大きさ・かたさの食べ物にしましょう。繊維質が多い肉や野菜などはかみ切れずのどに詰まることがあるので、こまかく切ったり煮込んだりして、食べやすいように調理しましょう。

食材の切り方・調理の工夫

ごはん 少しやわらかめに炊く
魚類 魚の切り身は骨や皮を取り除く。片栗粉や小麦粉をまぶして、フライパンでソテーすると身がふっくら、やわらかく焼ける。
肉類 かたくならないよう、ひき肉料理は卵やパン粉などのつなぎを多めに使う。薄切り肉は1cm幅くらいの細切りや角切りにする。
野菜類 葉野菜は1~2cm幅ほどに切る。根菜は5cmくらいのスティック状に。
海藻・きのこ類 わかめなどの海藻は薄くて、きのこ類は弾力があるため、粗みじん切りにするなど食べやすくするよう工夫を。

このころの子どもの様子

「自分でやりたい!」という自我が芽生える時期でもあります。親子がお互いにストレスなく過ごせるよう手づかみ食べしやすいメニューを選び、子どもの自分でやりたい気持ちを尊重しましょう。

かむ力や消化力は個人差があるので、まる飲みしていないか、一口の量が多すぎないかも見守ってください。

【2才代の幼児食】奥歯が徐々に生えそろう時期。
食感の異なる食材でかむ力を育てよう。

第2乳臼歯が生え始め、2才代のうちにすべての乳歯がほぼ生えそろう時期(※個人差はあります)。かむ力が強くなり、食べられるものの種類がぐんと広がる時期。とはいえ、まだ口が小さく、消化器官も完全ではないので、大人と同じ切り方や加熱具合では食べづらいことも。もう食べられると思って無理に与えると好き嫌いの原因になることもあるので注意が必要です。

生の葉野菜や肉類、かたいものはまだまだ調理の工夫が必要です。いろいろな食感の食材を体験させることで、かむ力がより育ちます。

食材の切り方・調理の工夫

ごはん 少しやわらかめに炊く
魚類 魚の切り身は骨や皮を取り除く。2~3cm厚さのそぎ切りにしてあげると、フォークで刺して食べやすくなる。
肉類 薄切り肉は繊維を断ち切るように、1~2cmの細切りに。
野菜類 葉野菜は、葉の部分は3cmぐらい、茎の部分は2cmぐらいの細切りに。根菜は、やわらかく加熱すれば、乱切りなどもOK。
海藻・きのこ類 わかめなどの海藻は薄くて、きのこ類は弾力があるため、粗みじんなどにしてかみやすくなるよう工夫を。

このころの子どもの様子

手づかみ食べと並行して、スプーンやフォークを使って食べられるようになります。1人ではまだうまく食べられないことも多いので、大人がさりげなくサポートしてあげて。

また、自我の発達にともない、食事中に立ち歩いたり、食べ物で遊んだり、なかなか大人の思うペースで食事をしてくれないことが増える時期でもあります。そんなときは、遊びだしたらいったん食事を切り上げる、遊びに区切りがつきそうなところで食事に誘う、など食事と遊びのけじめをつけられる工夫を取り入れてみてください。

コミュニケーション力や脳の発達にも影響が!
“カミカミ食べ”にはメリットがいっぱい

よくかんで食べることは、子どものかむ力を育てるだけでなく、あごの発達や歯の生え方にも影響します。また、「口を開けて、閉じて、かむ」など一連の動作には口のまわりの筋肉をたくさん使います。口のまわりの筋肉がしっかり発達すると、食事をきれいに食べられるようになる、言葉をきちんと発音できる、表情をつくれるようになるなど、子どもの成長にもいい影響があります。

ほかにも、満腹感が得られて食べすぎを防いだり、唾液の分泌が促されてむし歯の予防になったり、脳が刺激されて血液の流れが活発になって脳が活性化されたりと、よくかんで食べることで得られるメリットはたくさん。

精神的な面では、自分でかんで食べることができた達成感も大きいですね。また、一緒に食事をする人とおいしい気持ちを共有することで、心身ともに満足感を得られることも。ママ・パパは、子どもがカミカミしやすい大きさやかたさの食材に気を配るとともに、笑顔で一緒に食事することを心がけるといいですね。

【3~5才代の幼児食】乳歯が生えそろい、
ほぼ大人と同じものが食べられるように。
ただし食材の大きさ・かたさに気をつけて

このころになると、多くの子が、20本の乳歯が生えそろいます。「もうなんでも食べられるかな?」と思いがちですが、大人の歯と比べて面積が小さく、本数も少ないので、大人と同じようにかむのはまだまだ難しい時期。

子どもの食べる様子を見ながら、食材の切り方・加熱具合・かたさなどを調節してあげましょう。大人と同じようにテーブルに食事を並べてから、切り分けてあげてもいいですね。

食材の切り方・調理の工夫

ごはん 少しやわらかめに炊く
魚類 焼き魚など、たいていのものは食べられるようになります。いか、たこなど弾力のあるものは食べやすく刻んで。生食や塩分の多いものは避けるのがベター。
肉類 かたまり肉もOK。鶏肉なら3cm角くらい、豚・牛などは加熱後に薄く切ればOK。
野菜類 葉野菜はやわらかく加熱すれば、葉も茎も3cm幅でOK。
根菜は、短冊切り、せん切りなどいろいろな大きさに。
海藻・きのこ類 わかめなどの海藻は薄くて、きのこ類は弾力があるため、小さめに切るなどしてかみやすくなるよう工夫を。

このころの子どもの様子

スプーンやフォークで食べるのが上手になってきたら、様子を見て、お箸で食べる練習を始めてもいいですね。
また、むし歯にならないよう、しっかり歯を磨く習慣をつけましょう。

期間が長い幼児食。頑張りすぎず、上手に息抜きを

離乳食を卒業したあと、大人と同じように食事ができるようになるために必要な幼児食。子どもが食への興味を持ち、なんでも好き嫌いなく食べられるようになるためにも大切です。

でも、幼児食は期間が長くて、毎回食事を作るのを負担に感じることも。そんなときはサンドイッチやおにぎりなど、手間の少ない食事ですませる、周囲のサポートに頼るなど上手に息抜きをして。ママ・パパが笑顔で一緒に食事することは、子どもにとって何よりのよろこび。家族でおいしい時間を過ごしましょう。

(構成・文/たまひよ編集部)

【取材・監修】丸山友紀先生:コドモノいっぽクリニック院長。
『小児科による産後ケア』など、「楽しい」子育てサポートを行っている。
1児の母。小児科専門医、日本血液学会専門医。

【監修】中村美穂先生:管理栄養士、フードコーディネーター、国際薬膳調理師。
保育園栄養士として乳幼児の食事作りや食育活動、地域の子育て支援事業に携わった経験を活かし、料理教室や書籍等のレシピ提供を行う。2児の母。