赤ちゃんの離乳食に重宝する食パン。でも離乳食で食べさせるのは中の白い部分だけで、ミミがたくさん余って困るということも多いよう。そこで、先輩ママたちが余った食パンのミミをどのように食べていたのかを教えてもらいました。
さらに、管理栄養士の中村美穂先生に、先輩ママたちのパンミミアレンジへのアドバイスと、赤ちゃんに食パンのミミを食べさせてもいい時期について聞きました。
食パンのミミは、白い部分に比べてかたくて苦みがあるので、離乳食では取り除きます。
離乳食を完了した1才6カ月以降であれば、赤ちゃんが食べられるのであれば、基本的には食べさせてOKです。ただし、そのままだとかみ切れずにのどに詰まる恐れがあるため、手に持ちやすいように切り、軽くトーストして食べやすく工夫しましょう。
さらに小さくちぎるか刻み、スープなどに浸せば、1才ごろからでも食べられますが、子どもの様子をよく見て、ママ・パパがまだ早いと感じたら無理に食べさせなくてもいいでしょう。
先輩ママたちに赤ちゃんの離乳食作りで余った食パンのミミについて聞いてみると「たくさん余るので冷凍して、小腹がすいたときに軽く焼いておやつに」「夕食の残りものと合わせてアレンジ」など工夫して、大人や上の子のおやつや軽食としておいしく食べていたようです。中でも多かったのが、ラスクやフレンチトーストにする、という声。
早速、先輩ママが実際に作っていたアレンジレシピを紹介します。管理栄養士の中村美穂先生に聞いた、おいしく作るコツと、栄養アップのプラスひと手間も要チェックです。
フライパンにバターを溶かして食パンのミミをソテーしたり、オーブントースターで焼いたり。カリカリになった食パンのミミに砂糖やはちみつをかけるだけと手軽に作れるラスク。「自分で作るので甘さを調整できるのがいい」という声もありました。
でも、つい焼きすぎてこがしてしまうことも。
(中村美穂先生アドバイス)
「トースターの低温でこがさないように乾燥焼きにするのがコツです。甘みをつけるときは、やわらかくしたバターを食パンのミミの表面に薄く塗ってから、砂糖などをまぶすようにすると、薄く均一につけることができます。砂糖に、きな粉やココアパウダー、粉チーズなどを混ぜると栄養価がアップしますし、砂糖の量を減らせますよ。バターの代わりにオリーブ油を、砂糖の代わりにハーブソルトや、青のりと塩少々をふれば違った味わいを楽しめます」
たまごと牛乳などを混ぜた液に浸したら焼くだけでできあがると、こちらも手軽に作れるフレンチトースト。ラスクよりもしっとり、やわらかな食感になるので、「上の子のおやつにしていた」という先輩ママも。
(中村美穂先生アドバイス)
「たまごと牛乳を混ぜた液に浸すのが基本ですが、牛乳を豆乳にしたり、たまごを入れずに牛乳だけに浸しても作れます。液にすりおろしたにんじん(生)や加熱して皮を除いてつぶしたかぼちゃなどを加えると、甘みが出て、色もきれいに。野菜がとれるのと、液に浸してやわらかくなるので、1才以降なら子どものおやつにもおすすめです。その場合は食べやすいよう短く切ってあげましょう。また、液に浸したあと冷蔵庫で2時間ほどおくと、よりしっとりやわらかく仕上がります」
料理好きな先輩ママたちが作っていたのは、食パンのミミを材料とした立派な料理! 夕食に登場しても違和感のない出来栄えで、たくさん余る食パンのミミを無駄なく、おいしく食べられる工夫はさすがです。
皿に食パンのミミを敷いてカレーをかけ、チーズをのせてオーブントースターで焼いた一品。カレーは、残りものでも、レトルトでもOK。カレーの代わりにシチューをかけて作ったこともあるそうです。
(中村美穂先生アドバイス)
「食パンのミミを食べやすく切っているのがいいですね。ブロッコリーやゆでたまご、プチトマトなどを一緒に焼けば栄養バランスもよくなります」
玉ねぎとほうれん草、鶏肉を塩こしょうで炒めたあと、食パンのミミと一緒にグラタン皿へ。ホワイトソースとチーズ、バジルをのせてトースターで焼いたのがこちら!
(中村美穂先生アドバイス)
「食パンのミミが、マカロニの代わりになっていますね。食パンのミミを小さく切って、塩こしょうを使わず薄味に、ホワイトソースも離乳食用のものなどにすれば、1才半ごろから食べさせることができますよ。大人の分は、トースターで焼く前や出来上がってから味をととのえると、親子で同じメニューを食べられていいですね」
耐熱容器に食パンのミミを敷きつめ、ブロッコリー・しめじ・コーン・ウインナをのせたら、別容器で混ぜておいた液(たまご・牛乳・粉チーズ・塩こしょう)をかけ、さらにチーズをのせてトースターへ。食材を切って、のせて、トースターで焼くだけとは思えない、ちょっとぜいたくな気分が味わえるメニューですね。
(中村美穂先生アドバイス)
「野菜などがしっかりとれていいですね!こちらも材料を小さく切って、薄味にすれば1才半ごろから食べられます。耐熱容器に食パンのミミを敷いたあと、材料をのせる工程を子どもと一緒にすると、子どもが食に興味を持つきっかけにも。親子のコミュニケーションにもなるので、無理のない範囲で楽しめるといいですね」
先輩ママのパンミミアレンジ、たくさんありましたね。離乳食作りでは食パンのミミがたくさん余りますが、先輩ママたちのアイデアを参考にすれば、あっという間においしく食べられてしまいそう。子どものおやつや食事になるアレンジもあったので、ぜひ参考にして楽しんでくださいね。
(構成・文/たまひよ編集部)
【取材・監修】中村美穂先生:管理栄養士、フードコーディネーター、国際薬膳調理師。
保育園栄養士として乳幼児の食事作りや食育活動、地域の子育て支援事業に携わった経験を活かし、料理教室や書籍等のレシピ提供を行う。2児の母。