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むし歯のない歯は一生もの!
赤ちゃんの歯の生え始めから気をつけたいこと

赤ちゃんの歯の健康を保つには、正しいケアと、むし歯にさせない生活習慣が大切です。「いつからケアを始めればいいの?」「具体的にどんなことに気をつければいいの?」と迷うママやパパも多いはず。また、いざ歯磨きをしようとしても、赤ちゃんが嫌がって泣いてしまうこともありますよね。今回は、赤ちゃんの歯のケアに詳しい小林歯科クリニック院長・小林京子先生に、むし歯を防ぐための基本と、赤ちゃんが気持ちよく歯磨きできるようになるコツを教えていただきました。

赤ちゃんの歯を守るためにしたいことは?

赤ちゃんの歯は、生後7〜8カ月ごろから生え始め、1歳ごろに上下4本ずつの前歯がそろい、2歳半〜3歳ごろには合計20本の乳歯が生えそろうのが一般的です。この乳歯をむし歯から守ることが、これからの歯の健康を支える最初の第一歩となります。

むし歯に怖いイメージを抱くママやパパも多いとは思いますが、むし歯はある日突然できるものではありません。原因となるのは「ミュータンス菌」という細菌。この菌が、食べ物や飲み物に含まれる糖分(ショ糖・ブドウ糖・果糖など)をエサにして“酸”を出し、その酸が少しずつ歯を溶かしていく…これが、むし歯の正体です。

赤ちゃんの歯を守るコツ①
毎日の歯のケア

むし歯を防ぐためにまず行いたいのが歯のケア。赤ちゃんの下の前歯が生えたら、最初はガーゼ磨きからスタートします。離乳食後に水でぬらしたガーゼをママやパパの利き手の人さし指に巻き、乳歯をやさしくふいてあげましょう。

前歯が4本そろったら、歯ブラシを使ったケアに移行し、「仕上げ磨き」を始めましょう。とはいえ、歯磨きを嫌がる赤ちゃんも少なくないはず。そんなときにおすすめなのが、ふれあい遊びを取り入れながら歯磨きに慣れていく方法です。

たとえば、遊びの時間に歌を歌いながら唇や口のまわり、ほっぺを指でツンツンと触ってあげるのがおすすめ。口の端に指をそっと引っかけて、やさしく引っぱるのも、口腔内のケアに慣れ、抵抗感をやわらげることに繋がります。口の中を触るときは、手を清潔にしてから行いましょう。

また、赤ちゃんの体や足の裏をくすぐったり、「お船だよ〜」と声をかけながら抱っこして揺らしてあげたりすると、自然に大きく口を開けて笑うことも。そのタイミングを生かすと、嫌がらずに歯ブラシを口に入れてくれることが増えます。ただし、歯ブラシでけがをしないように、最初は歯ブラシを持たずに行い、赤ちゃんがリラックスしたころで磨く体勢へ。そこで初めて歯ブラシを手に取るようにしましょう。

こうした遊びは、歯が生えていないうちから始めておくと、いざ仕上げ歯磨きを始めるときに、赤ちゃんが磨く行為に慣れやすく、「歯磨き=楽しい時間」と感じてくれやすくなるはず。また、歯を磨く順番にもひと工夫を! 奥歯から磨き始めると赤ちゃんがびっくりしてしまうことがあるので、前歯からやさしく磨き始めると、抵抗感が少なくなるでしょう。

どうしても赤ちゃんが歯磨きを嫌がる場合は、大人の太ももの間に赤ちゃんの頭をはさみ、肩の上に足を軽くのせて体を固定する方法もあります。ただし、最初からこの体勢で磨こうとすると、「動けない=歯磨きはイヤな時間」と感じてしまう心配が。まずは遊びを取り入れながら、楽しく歯磨きの習慣を身につけていくことが大切です。

こうして赤ちゃんが成長し、自分で“ぶくぶくうがい”をして水を吐き出せるようになったら、「自分磨き」のスタートです。目安はおおよそ3歳ごろ。幼児用の歯ブラシを使い、自分で磨く練習を始めましょう。フッ素入りの歯磨き粉や、歯磨き後に使うフッ素配合のジェルなども市販されているので、上手に取り入れるのがおすすめです。

ただし、自分磨きができるようになっても、磨き残しはつきもの。大人のていねいな仕上げ磨きは、12歳ごろまでは続けるのが理想です。大きくなってからも、ママやパパのサポートで、むし歯をしっかり予防していきましょう。

赤ちゃんの歯を守るコツ②
歯を守る食習慣を身につける

むし歯を防ぐには、歯磨きだけではなく、ふだんの食習慣もとても大切です。 とくに気をつけたいのが、「甘いもののとりすぎ」と「ダラダラ食べ」の二つです。

人間には、生まれ持って甘いものが大好きな性質があります。赤ちゃんが飲む母乳にも「乳糖」という自然の糖分が含まれているくらいです。そのため、ジュースやスポーツドリンク、市販のお菓子など、甘みの強い食品を早くから習慣的にとってしまうと、甘いものへの欲求がどんどん強まります。その結果、むし歯のリスクもアップ。その状況を防ぐには、3歳くらいまでは果物など自然な甘みのあるものを中心に選ぶことがおすすめです。

また、食事やおやつの間隔は、2時間半以上空けて、「ダラダラ食べ」をしないことも大切です。その理由は「唾液」の働きにあります。唾液には、むし歯の原因となる酸性に傾いた口の中を中性に戻し、歯の表面を修復してくれる作用がありますが、唾液は食事中などに多く出る一方、夜間にはほとんど分泌されません。ちょこちょこ何かを口にしていると、唾液が本来の働きをする前にまた酸が作られ、むし歯リスクがどんどん高まってしまうのです。

この“唾液の力”が十分に働かない状況は、赤ちゃんの授乳後にも起こりがちです。赤ちゃんは授乳後にそのまま寝てしまうことも少なくないと思いますが、そうすると歯の表面に糖分が残ってしまい、むし歯になりやすくなってしまいます。そのため、歯が生えてからは、寝る前の授乳後は、歯のケアをしてから眠るのが理想。ケアが難しいときは飲んだあとに湯冷ましを少し飲ませ、口の中をすすぐようにするようにしましょう。

赤ちゃんの歯の健康 これも気になるQ&A

Q:むし歯はないけれど、歯科医デビューってしていいの?

もちろんOK! 小さなことでも相談してみよう

「むし歯もないのに、歯医者に行ってもいいの?」と悩むママやパパは少なくありません。でも、答えはズバリ「行って大丈夫!」です。歯にトラブルがなくても、「歯磨きの方法がわからない」「歯並びが気になる」など、ちょっとした疑問があれば気軽に相談してみてください。

歯科クリニックでは、プロによるクリーニングやフッ素塗布など、赤ちゃんの成長に合わせたケアを受けることができます。また、早いうちから通っておくことで、赤ちゃん自身が歯医者に慣れやすくなり、いざ治療が必要になったときにも安心して通えるようになります。

かかりつけの歯科医院がない場合は、まずはママやパパの通っている歯科に相談したり、ネットで「小児歯科」を検索したりして探してみましょう。信頼できる歯科医との出会いは、赤ちゃんのむし歯予防の心強いパートナーとなってくれるはずです。

Q:うちの子は口がいつもポカンと空いているけれど、むし歯に関係ある?

口が開いていると、口内が乾燥しやすく、むし歯になりやすい!

口がポカンと開いていると、口の中が乾燥しやすくなり、唾液でミュータンス菌を洗い流すことが難しくなるので、むし歯のリスクが高まります。 赤ちゃんのうちから口が開きやすい場合は、将来的に口呼吸になる可能性があるので、できるだけ鼻呼吸を心がけさせたいもの。

食事中に「犬食い」など、テーブルに突っ伏しただらんとした姿勢で食べていると、気道が圧迫されてしまい、口を開けて呼吸しやすくなってしまいます。食事をするときは、椅子にしっかり座り、足の裏を床や足乗せ台につけて、背筋をまっすぐ伸ばす姿勢を意識させましょう。正しい姿勢は、鼻呼吸を促し、むし歯リスクの軽減にもつながります。

Q:大人が赤ちゃんと同じスプーンを使うのはダメ?

ケアを頑張ったほうが、むし歯のリスクは避けられる!

かつては、大人と同じスプーンやフォーク、箸を使うと、ミュータンス菌が赤ちゃんにうつってしまうからよくないといわれていました。でも最近の研究では、はっきりとしたエビデンスはないとされています。日常のお世話の中で、つい同じ食具を使ってしまうこともありますよね。それよりも大切なのは、毎日の歯磨きや、甘いものを食べ過ぎないなどの食習慣の工夫。こうしたケアが、むし歯になりにくい口内環境を作るポイントなのです。

まとめ

むし歯でいちばん大切なのは、「防ぐ」こと。いったんできてしまうと治療も大変だからこそ、正しい知識を身につけて、早い段階から日々のケアを実践していきたいですね。もちろん、暮らしの中のルーティンとして身につくようになるまではたくさんの苦労があると思いますが、歯磨き習慣は赤ちゃんにとって、ママ・パパからの大きな贈りもの。これから先の健康を支える一生ものの習慣だからこそ、あせらず前向きな気持ちで、取り組んでいきましょう。

(構成・文/たまひよ編集部 写真提供/ピクスタ)

【取材協力・監修】
小林歯科クリニック 院長 小林京子先生
2005年に東京都立川市にクリニックを開業。子どもの食育や、あごを広げて歯を抜かずに行う歯列矯正にも積極的に取り組む。マタニティ歯科、赤ちゃん歯科、小児歯科など、マタニティ期からの継続したていねいなケアを行っている。
HP:小林歯科クリニック