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トップコミットメントPascoブランド統合20周年を迎えて -1

Top Commitmentトップコミットメント

この20年間で、変わったものと変わらないもの

2003年にシキシマとPascoの2つのブランドを統合して、今年で20周年。今回の対談では、「ウェルビーイング」※1「サステナビリティ」※2「ビロンギング」※3という3つの観点を切り口にして、この20年間を振り返ります。
社会が大きな変化を見せた20年の間に、Pascoはどのような変化をしてきたのでしょうか。盛田社長とデイヴィス・スコットCSR顧問が話し合いました。

※1:生活者にとっての幸せ。 
※2:地球環境に配慮した企業活動。 
※3:誰もが働きやすい環境づくり。

盛⽥ 淳夫

敷島製パン(株)代表取締役社長

社会の変化に目を凝らし、
お客さまの期待に
今後も応えていきたい

デイヴィス・スコット

企業倫理や経営・人材管理分野に幅広く精通し、企業の社会的責任(CSR)経営に関する研究を行う。立教大学経営学部教授。2008年からは、敷島製パン株式会社のCSR顧問として、専門的な視点から助言を行っている。

Pascoの商品には、
物語性と機能性の
両方が存在している

変化する時代に合わせてお客さまの声を聞くということ

この20年を振り返るにあたり、まず「ウェルビーイング」というキーワードについてお話を伺います。2003年に始めた「パスコ・サポーターズ・クラブ」について教えてください。

Pascoブランド統合を機に、「Pascoのロイヤルユーザーを育てたい」という思いから始めました。一番の狙いは、お客さまの声を商品開発や営業活動に活かすこと。ざっくばらんに意見を聞かせていただく場をつくることが、Pascoに必要だと考えました。

どのような取り組みでしょうか。

発足当時はメールマガジンで募集を行い200名の方にサポーターとして参加いただき、新商品情報の発信やアンケートなどを実施して、マーケティングや商品開発に役立つたくさんのご意見をいただきました。現在はPascoファンの方達の交流の場にもなっています。

お客さまの声を企業活動に反映する際、大切にしていることはありますか?

商品がおいしいかまずいかは、お客さまが一口食べればすぐに結果が出ます。食べて「おいしい」と率直に思ってもらえる商品をつくらないと、お客さまからの支持は得られません。「お客さまの思いや嗜好をきちんと認識して商品づくりをしていかなければならない」ということを、常に社員に話しています。

2013年には食物繊維が入った「超熟ライ麦入り」、翌年には血糖値が気になる人向けのロールパンと、お客さまの健康志向に合わせた商品を発売しています。

時代の変化とともに、お客さまの意識や考え方も変わっていきます。それに対して「どういう提案ができるのか?」と考え続けていかなくてはなりません。健康意識の高い方に喜んでいただくためにと突き詰めてきた過程があり、その結果、Pascoの提案する商品を選んでもらえるようになったのだと思います。

近年の健康志向の高まりを受けて、「超熟ライ麦入り」「麦のめぐみ全粒粉入り食パン」「低糖質シリーズ」など、さまざまな商品を展開している 近年の健康志向の高まりを受けて、「超熟ライ麦入り」「麦のめぐみ全粒粉入り食パン」「低糖質シリーズ」など、さまざまな商品を展開している

国産小麦の取り組みは危機感から生まれたビジョン

Pascoが取り組む「サステナビリティ」についてお聞きします。2013年には、国産小麦を原材料とした「ゆめちから入り食パン」の通年販売を開始しています。国産小麦の小麦粉を使ったパンづくりは簡単ではなく大変な労力が必要ですが、Pascoはそれを立派にやっているという印象です。

国産小麦商品のロゴの変遷 国産小麦商品のロゴの変遷

国産小麦については、社会から求められているかどうかではなく、「必要だ」という考えから取り組んでいます。世界的に穀物の価格が高騰した2007年頃、日本で使うパン用小麦の供給はほぼ100%輸入に頼っていました。この状況に危機感を持ち、「パンに適した国産小麦を、時間をかけてでも育てていかなければならない」と思ったのが、取り組みのきっかけです。

危機感から新たなビジョンが生まれてくるのも、Pascoの特徴だと思います。Pascoが長い時間をかけて国産小麦の取り組みを着実に進めていることを、もっと世の中にPRしても良いと思いますね。

1998年に社長に就任した際、社長として経営の軸足をどこに置くべきかを模索していたところ、「事業を通じて社会に貢献する」ことだと思い至り、創業の理念と重なることに気がつきました。さらに先ほども話した、世界的な食料不安をきっかけとする日本の食料安全保障への危機感と、「国産小麦の自給率向上に取り組むことで、結果的に社会貢献に繋がるのではないか」という思いに重なったのです。国産小麦の取り組みについては、こうした思いをずっと持ち続けています。

今、ビジネスの世界では「パーパス」※4という言葉が注目を集めています。国産小麦をはじめとして、企業の思いや責任についてはっきりとアイデンティティを確立しているPascoは、世界に対しての問いかけや語るべきものを持っている会社だと言えます。

※4:存在意義。

「ナラティブ」、つまり自分たち自身が語り繋いでいく物語を持っているということかもしれません。「この商品をつくっている理由はこれです」と、私たちがきちんと語れる商品でないと、世の中に出す価値はないと思っています。

確かにPascoの商品は、以前からナラティブ性が強いですよね。個々の商品がパッケージからすでに、それぞれの物語を語りかけているように見えます。ブランドについてはどうお考えでしょうか?

「ブランド価値=企業価値」ということを、いつも意識しています。たとえば「超熟」については、マーケティングとブランディングを専門とする学習院大学の青木幸弘教授に相談しながら、Pascoを代表するブランドにつくりあげてきました。それ以前の社内では、ブランド化ということにはさほど意識は高くなかったと思います。しかし現在は商品の価値をしっかり磨き上げて、ブランド価値を上げることが大切だと理解してもらえていると感じています。

女性管理職の登用や育休の充実は企業としての責務

次に「ビロンギング」というテーマについてお聞きします。Pascoブランド統合20年の歩みの中での大きな出来事の一つが、2022年の女性工場長の誕生です。

2030年までに「女性管理職の比率を30%にする」というSDGsの目標を掲げており、2022年の女性工場長の誕生はその一環です。Pascoは製造部門の社員比率が全体の5割以上を占めているので、製造部門で女性の管理職の比率が向上しないと、全体で30%以上という目標の達成は困難です。そのためには男女の別なく無理なく作業ができるなど、職場環境の整備が必要です。

社員が個々のライフスタイルを設計し働き続けようとする際、育児休業制度の運用など、Pascoではどのようなサポートを考えていますか。

育休に限らず、社員に「明日から休みます」と言われると困ってしまうのが現状です。これからはそう言われた時に「どうぞ」と言える仕事の仕方にすることが必要。単純に「育休取得比率を何%にする」と目標数値だけ掲げても、長続きはしないでしょう。環境や仕組みだけでなく、上司や周りの意識を変えることも必要です。そして社員同士がお互いにバックアップできるよう、日頃の情報共有も大事です。総合的な対応をしていかないと、育休の取得率は上がらないと考えます。現在は、特に社員の意識改革が大切だという考えで取り組んでいます。

今後企業では、介護休業の問題も顕在化すると言われています。

育休は子どもの成長に沿っていつ頃まで、と必要な期間がわかりますが、介護はいつまで続くのか見通せず、不安を感じる社員が増えてくる可能性があります。そういった状況になっても「きちんと仕事が回る」「不安なく仕事が続けられる」という仕組みづくりと、職場環境づくりをしていかなければなりません。