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就労支援事業としてのパン屋経営:成功のための完全ガイド

障がいを持つ方への就労支援として、「パン屋」の運営が注目されています。パンは工芸品に比べて消費量が多く安定した売上が期待でき、工程が多いことから障がいを持つ方の特性に合わせた業務の割り振りが容易です。

この記事では、就労支援事業としてパン屋を運営するメリットや気をつけるポイント、専門知識がなくてもパンを製造する方法について、事例を交えて紹介します。


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目次[非表示]

  1. 1.就労支援事業とは
  2. 2.パン屋を就労支援事業として行うメリット
    1. 2.1.パンはリピートされやすく、安定した売上が見込める
    2. 2.2.多様な工程があり、個々の特性に合わせた業務選択が可能
    3. 2.3.冷凍生地や講習の活用で、製造工程が効率化できる
    4. 2.4.小規模でも販売がしやすく、多様な販売方法がある
  3. 3.パン屋を就労支援事業として運営する上でのポイント
    1. 3.1.パン作りの専門知識と効率化は不可欠
    2. 3.2.衛生管理と品質管理の徹底が信頼に直結する
    3. 3.3.機材導入やバリアフリー化など、初期投資が必要
    4. 3.4.人材育成と柔軟な労務管理が不可欠
  4. 4.作業品質を上げる冷凍パン生地
    1. 4.1.冷凍パン生地の強みとは?
    2. 4.2.Pascoの冷凍生地サービスの特徴
    3. 4.3.冷凍パン生地で競合店との差別化も実現
  5. 5.まとめ


就労支援事業とは

就労移行支援や就労継続支援は、障がいを持つ方が働くためのサポートを行うサービスです。特に、社会復帰の可能性が高いと考えられる方や、一定のスキルやコミュニケーション能力がある方を対象としています。

就労支援にはさまざまな業種がありますが、特にパンづくりは知的障がいや精神障がいをお持ちの方に対する就労支援として選ばれています。

現在、パン作りの就労支援事業は、主に「就労継続支援A型」と「就労継続支援B型」の2つに分類されていて、なかでもB型が一般的です。

就労移行支援と就労継続支援A型・B型は、目的や対象者、雇用形態、賃金の有無などで違いがあります。


▼就労移行支援・A型・B型支援の違い

支援の種類
就労移行支援
就労継続支援
A型
就労継続支援
B型
目的
就労に必要なスキルを身につける
就労や生産活動の機会を提供する
対象者
一般企業への就職を目指す方
在宅での就労・起業を目指す方
就職に不安や困難を感じる方
雇用契約
なし
あり
なし
工賃(賃金)
原則なし(事業所により支給の例あり)
あり
平均月収
該当なし
86,752円
23,053円
年齢制限
65歳未満
制限なし
利用期間
原則2年以内
制限なし
事業所数
(箇所)
2,934事業所
4,388事業所
15,159事業所

厚生労働省:『令和5年度 平均工賃(賃金)月額の実績について』『令和5年度総合評価書 分野横断的に実施している政策の評価について』をもとに作成


出典:厚生労働省『令和5年度 平均工賃(賃金)月額の実績について』『令和5年度総合評価書 分野横断的に実施している政策の評価について



パン屋を就労支援事業として行うメリット

就労継続支援の事業者には、検品や組み立て加工、PC作業などさまざまな仕事内容があります。そのなかでもパン屋が選ばれる理由は主に4つです。


パンはリピートされやすく、安定した売上が見込める

工芸品は一度買えば長く使えるため、継続的な販売は難しい場合が多いです。

その一方、パンは日常的に繰り返し購入される食品です。さらに価格も手頃なため、地域の方が気軽に購入しやすく、安定した売上につながりやすいといえます。


多様な工程があり、個々の特性に合わせた業務選択が可能

パン作りは、生地作りから焼成、包装、陳列、販売まで多くの工程があります。

総菜パンならカレーやフィリング作りなども加わります。カフェ併設の場合は、注文を受ける、配膳、食器洗いといった業務も発生します。

このように工程を細かく分けられるため、利用者の方も「自分に合った作業」を見つけやすい環境が整います。

「これは得意」「この作業ならできる」と感じてもらいやすい点も、就労支援事業として適している理由です。


冷凍生地や講習の活用で、製造工程が効率化できる

パン作りは工程が多く、一定量の生産と品質管理が必要です。

近年では、パンメーカーによる冷凍生地の提供や講習会の開催が進んでおり、就労継続支援事業所でも活用が進んでいます。

冷凍生地を使えば、製造負担を抑えつつ、一定水準のおいしいパンを提供できるため、未経験の事業所でも導入しやすいです。

先行して成功している事業所では、冷凍生地の活用、メーカーからの製造指導や、パン職人による専門的なサポートを受けて成果を上げています。


小規模でも販売がしやすく、多様な販売方法がある

パンは小さく単価も安いため、販売方法が豊富です。店舗での販売だけでなく、ワゴン販売や移動販売、宅配など、多様な方法で販売できます。

例えば、官公庁や企業内、学校などでのワゴン販売や、高齢者施設や個人宅への配達を行っている事業所もあります。

このように、場所を選ばず柔軟に販路を広げやすい点も、就労支援事業としてパン屋を選ぶ大きなメリットです。



パン屋を就労支援事業として運営する上でのポイント

就労継続支援の事業内容として主流になってきたパン屋ですが、事業として継続するためには一定の売上を上げ続けることも重要になります。

そのなかでもパン屋を事業として選択する際に気をつけたいポイントを4つご紹介します。


パン作りの専門知識と効率化は不可欠

就労継続支援事業におけるパン作りも、一般のビジネスと同様にお客さまから対価を得る「経営」です。お客さまに満足してもらえなければ売上は上がりません。

パン屋として成功するには、専門的なパン製造の技術や効率化、品質管理能力が不可欠です。

しかし、障がいを持つ方が対応できる作業には一定の制限があります。

そのため、就労支援事業としてパン屋を運営する場合は、通常のパン屋以外に「障がいを持つ方に配慮したスキル」や「効率的な工程設計」が求められる場面もあります。

利用者の方が取り組みやすい工程に落とし込みながら、お客さまに満足してもらえるパンを安定して製造する工夫が重要です。


衛生管理と品質管理の徹底が信頼に直結する

パン屋として成功するためには、徹底した衛生管理と高品質な製品づくりが求められます。

障がいを持つ方のなかには、集団作業や迅速な対応が難しい方もいるため、生産効率や品質に課題が生じやすいです。

また、世間の一部からは事業所の作る商品に対して「衛生面は大丈夫なのか?」という不安の声もあります。

だからこそ、衛生ルールの徹底や、作業工程の見直しを常に行い、信頼される品質を維持することが大切です。

ある事業所では、手洗い講座を行ったり、手洗い場の蛇口は長い取っ手を採用して手が汚れても腕で水を出せるようにしたりなどの工夫をしています。

衛生・品質への信頼が高まれば、継続的な売上につながり、安定した経営基盤を築くことにも直結します。


機材導入やバリアフリー化など、初期投資が必要

パン製造には作業台やオーブンなどの専用の機材や設備が欠かせません。

また、障がいを持つ方が安心して作業ができるようにバリアフリー設備の導入も重要な初期投資です。

例えば、ある事業所ではオーブンでやけどをしないように分かりやすく床の色を変えたり、電線コードでつまずかないようにコードを天井に設置したりしています。

また、作業工程が分かりやすいように、料理器具を色分けする工夫もあります。

作業台や調理器具の配置を工夫し、利用者の方が安全かつスムーズに作業できる環境を整えることが重要です。


人材育成と柔軟な労務管理が不可欠

障がいを持つ方のなかには、体調の変化や家庭環境の事情で勤務が不安定になる方もいます。

加齢に伴い、物事を覚えづらくなるケースもあり、こうした変化に対しては、手厚いフォローや早期対応が重要です。

特に、障がいを持つ方に対しては、一人ひとりの状況を把握し、適切に支援する体制を整えなければなりません。

このようなきめ細やかな人材育成と労務管理が、現場の安定稼働を支えるポイントになります。



作業品質を上げる冷凍パン生地

このように、事業所でのパン製造には、障がいを持つ方が作業に取り掛かりやすい工夫とともに、おいしいパン製造の専門知識や、高度な品質管理が求められます。

未経験者が障がいを持つ方への対応に加えて、一からパン作りに挑戦するのは簡単ではありません。

しかし、事業者のパン屋が成功している背景には、パンメーカーの努力によって生まれた「冷凍パン生地」の活用があります。

例えば、冷凍パン生地を使用することにより、粉の計量や発酵などの複雑な作業を省略することが可能です。すでに成形済みの冷凍パン生地の場合は、「並べて発酵を取り焼成するだけ」、発酵不要の冷凍パン生地の場合は、「解凍して焼くだけ」「フライするだけ」、焼成後冷凍パンの場合は「解凍するだけ」で安定した品質のパンを提供できるようになります。


冷凍パン生地の強みとは?

冷凍パン生地は、長期保存が可能で、少量多品種に対応できる点が大きな利点です。

届いた生地は専用機器を使用して解凍・発酵を行うことで、短時間かつ安定した品質でパンを焼き上げることが可能になります。

熟練の技術がなくても、誰でもおいしいパンを作れるというのが最大の魅力です。



Pascoの冷凍生地サービスの特徴

Pascoでは、就労支援事業や一般のパン屋に向けて、高品質な冷凍パン生地を提供しています。

その品揃えは約150種類にもおよび、以下のようなラインナップが特徴です。


  • 食パン
  • デニッシュ生地
  • 惣菜パン
  • ドーナツ
  • パイ
  • 菓子パンetc…


冷凍パン生地を使用すれば品質を担保しながら作業負担を軽減できます。例えば手間のかかるクロワッサンを製造する場合、スクラッチの工程であれば約365分かかるのに対して、冷凍パン生地を活用すれば、約135分で完成します。

さらに、Pascoは国内の工場で生産を行っており、安定供給が可能な体制も整えています。


冷凍パン生地で競合店との差別化も実現

現在、パン業界は競争が激しく、多くのパン屋が高品質なパンを提供しています。素人が一から生地を仕込み、他店と競争するのは簡単ではありません。しかし、冷凍パン生地の導入によって、製造工程の効率化と品質向上を同時に実現できます。

冷凍生地を活用すれば、就労支援事業としてのパン屋でも、他店に負けないおいしいパンを安定的に提供できる環境が整います。



まとめ

この記事では、パン屋を就労支援事業として行う際のポイントについて、次の内容を解説しました。


  • パン屋が就労支援に向いている理由
  • パン事業を成功させるための工夫
  • 冷凍生地や外部サポートの活用方法


パン屋は、安定した需要や多様な業務があるため、就労継続支援事業所に適した業態です。冷凍生地や外部支援を取り入れれば、未経験でも高品質なパン作りが可能になります。

地域に愛されるパン屋を目指すには、設備投資や衛生管理、人材育成も欠かせません。

Pascoでは、冷凍パン生地の提供や技術指導を通じて、就労支援事業のパン製造を力強くサポートしています。Pascoのサービスを活用すれば、安定した品質のパン作りが誰でも実現できます。


サービスについては、こちらのページをご参照ください。

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